腰が痛い

いちがいに「腰が痛む」と言ってもいろいろです。

1)急性腰痛症

重いものを持ったり、身体を捻ったり、物を取ろうとしたり、あるいは靴下を履こうとして中腰になった時に強い痛みが腰に生じます。「ぎっくり腰」などとも言われ、大変辛く起き上がれなくなり、日常生活に支障を来たす事もあります。
しかし、多くは1週間程度の安静で軽快しますが、長引く場合(1週間経っても軽減しない時)は、整形外科の病医院できちんと診察を受けてください。稀に隠された病気が見つかる事があります。(参考:腰の痛みの恐い話)

2)腰椎ヘルニア(腰部椎間板ヘルニア)

これは腰痛と片側の臀部から下肢後面の痛み(坐骨神経痛)やシビレ、知覚障害などを伴うことの多い疾患です。更に進行すると筋力の低下や歩行障害が見られる場合もあります。現在では、MRIの検査でヘルニアの大きさや神経との位置関係をはっきり知ることができ、治療方針を立てるのに有効です。腰椎ヘルニアは高度の腓骨神経麻痺や膀胱直腸障害が無い限りただちに手術となることはなく、ほとんどが保存的療法で軽快し、手術になるケースは全体の数パーセントにすぎません。手術になるか否かは整形外科の主治医とよく相談して決めてください。

3)腰部脊柱管狭窄症

高齢者に多く見られ、多くは腰椎の変性により腰部脊柱管が狭くなり、神経(馬尾神経)が圧迫されて生じるもので、腰痛のほかに両下肢の重苦しさなどが生じ、短時間・短距離の歩行しか出来ない「間欠性跛行」(休み休み歩くこと)が特徴的です。投薬、注射、リハビリなど保存的治療が効果を示しますが、重症例は手術をする場合もあります。

4)腰椎分離症、腰椎分離辷り症

スポーツやその他の運動で腰に負担をかけ続けていると発生すると言われていますが、先天的な要素も否定できない症例もあります。症状としては腰痛だけのものから前記の腰椎ヘルニアあるいは腰部脊柱管狭窄症と同じ症状を呈するものまでいろいろ有ります。レントゲン写真やCT、MRIなどの検査で診断がはっきりします。これらも保存的治療が主となります。

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